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地元の水産業復興の原動力


岩手県釜石市は、昔から水産業で盛んな土地で、さらに日本の近代鉄鋼業発祥の地としての歴史もあり、「鉄、魚、観光の街」として栄えてきました。しかしながら、一昨年の大津波で壊滅的な被害を受け、水産業も深刻なダメージを被り、その影響で地元の雇用も大きく落ち込みました。

昨年、カタールフレンド基金の支援を受け、地元に新設された“釜石・大槌地域産業育成センター”が、地域の水産業の復興において、どのような役割を担っているのかを佐藤正一社長に具体的にお話しいただきました。

この会社の設立についてお話をお聞かせ下さい。

当社は震災後に、この唐丹町(とうにちょう)で、新規に設立された会社です。震災後、町から全ての企業が撤退し、雇用が失われ、受け皿となる企業の設立が急務でした。また地域の主要産業である水産加工業が、軒並み打撃を受け、早期に事業を再開しないと、中長期的な産業の衰退が一気に加速してしまう懸念もありました。さらに事業再建を進める水産加工業者が、規模を縮小したり、原料の地域依存を下げる動きもあるなかで、地域住民や漁協、漁連の皆さんの声にも後押しされ、また幸運にもカタールフレンド基金からの助成を受けることができ、会社設立に漕ぎつけることができました。

地元の地域社会でこの会社はどのような役割を果たしましたか?

私共の社員は全員津波の被害を受けた被災者です。 そして約1年前の会社設立時には社員の半数はまだ仮設住宅で生活していました。 この会社の果たす役割はとても重要です。 ここで働くことにより人と交わり、コミュニケーションが生まれます。 さらに、もう一度生活を立て直し、家族のために収入を得る手段となります。 また若者を始め、今まで水産業に関わったことがない人でも、やる気のある方には、実地研修で仕事を教え、地元の雇用の受け皿となることを目指しています。

この会社にとって地域社会はどんな役割を果たしていますか?

市長をはじめ、地元の漁業組合の皆さん、そしてもちろん家族や地域のために水産業復興のために全力を尽くしている社員など、地域社会から大いに助けられています。

ところで、ビジネスの進捗具合はいかがですか?

我々が始動してから約1年が経ち、私たちの商品は今では日本全国で販売されています。東京にあるレストラン約700店舗にも定期的に私たちの商品を納品し、また、約130店舗の全国の百貨店で販売しているバッテラ寿司にも私たちが加工した魚を使っていただいています。 今では、地元の方々と全員で力を合わせ、頑張ることができ、本当に感謝しています。いつかカタールへも私たちの商品を輸出できたら素晴らしいでしょうね。

“釜石・大槌地域産業育成センター”は、カタールフレンド基金の支援を上手く活用した好例です。さらにカタールフレンド基金が復興支援において非常に重要だと考えているポイント、つまり、「支援終了後も持続的運営が見込まれること」、「ステークホルダーとの協力関係が築かれていること」を十分に理解され、実行されています。そして、何よりも、取引先の社長、市長や漁師など、地元社会の様々な人々を巻き込み、その人々から支持を得て、彼ら全員が、このプロジェクトを成功させるのだと誓い、力を合わせたことがプロジェクトを成功へ導いたのだと思います。 カタールフレンド基金の支援したプロジェクトの中で、“釜石・大槌地域産業育成センター”の案件がなぜそれほど画期的なプロジェクトなのかというと、その他の地域でも取り入れることが可能な優れたモデルケースだからです。今後の水産業の再活性化事業における、希望の光として、この“釜石・大槌地域産業育成センター”の案件は、燦然と輝いているのです。
 

 

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